一般社団法人適正安全輸送協会の設立に至った経緯
平成24年12月に発生した中央道の笹子トンネルでの崩落事故を契機に道路、橋等の社会インフラの老朽化問題と安全対策が社会問題として大きくクローズアップされましたが、とりわけ道路や橋に対して負担を掛ける可能性が高い大型車両の適正な運行、走行が求められたり特殊車両に対する取締りが強化されるようになって参りました。
こうした社会的な状況を踏まえ大型車両や杭打ち機等の建設機械を保有若しくは使用してしている事業者あるいは大型の建設機械等を輸送することを専門としている運送事業者としても対策を考えなければと平成26年8月に建設機械の製造メーカー、大型車の販売ディーラー、代理人として多くの通行許可申請を手掛ける行政書士等の方々約50名が新潟市内に集い初めての「意見交換会」を開催して特殊車両を運行、走行する上で抱える現状の問題点、法律上の問題点等々について意見交換と今後の対策等について話し合いを行いました。
その後、建設機械等を適正な重量にするための分解、組立についての調査研究、車両制限令等の関係法令についての学習と研究、北陸地方整備局への審査期間の短縮の要請、パイルメーカー各社への特殊車両に関する理解を深めていただくためのお願い、パブリックコメントでの国土交通省や規制改革ホットラインへの意見と提案の提出等々の活動を行って参りました。
ルールを遵守し安全を確保するためには末端の我々事業者のみの努力では如何ともし難いというのも事実ではありますが、コンプライアンスあるいは安全で安心をという社会的要請に応えて行かなくては事業継続が困難な時代であるということも事実であります。それぞれの事業者が社内で努力をすると同時に同じ問題を抱える事業者が今後も協力して情報を共有し、大型車、特殊車両等の適正で安全な運行を実現するための研究、対策を考える場として一般社団法人適正安全輸送協会を設立することに至った次第であります。同じ問題を抱える皆様のご参加をお待ちしております。
一般社団法人適正安全輸送協会の目的
①適正で安全な輸送環境の実現のために必要な情報の収集分析
②適正で安全な輸送環境の実現のためのセミナーの開催
③適正で安全な輸送環境の実現のための情報発信
④運行管理者のための基礎講習、一般講習、特別講習の開催
⑤旅客自動車運転者のための講習
⑥災害時における物資の緊急輸送の協力活動